
学科教習第二段階1・応急救護
応急救護処置教習を受講するためには,
1段階の技能教習みきわめが良好(A判定)でなければなりません。
応急救護
この応急救護処置教習は,
平成6年5月10日の法改正によって新規免許取得者に対して義務づけられ,
座学1時限+実技2時限の合計3時限による教習が行われます。
応急救護で行う内容
1時間目「座学」
応急救護措置を行う意義や目的などを指導員が話してくれます。
場合によっては動画を観たりもします。
・応急救護処置の必要性
・救急体制
2時限目~3時限目「実技①②」
具体的に人形やAEDを使っての講習です。
・心肺蘇生法
・AED・止血法
などの知識や技術を習得します。
胸骨圧迫はなぜ行うのか?
それは心肺停止によって
体に行き渡らなくなった血液中の酸素を脳に送るためです。
脳は人間の身体の中でも極めて重要な部分であり、
これが機能しなくなってしまうと人間としての生活はほぼ出来なくなってしまいます。
しかも死んでしまった脳の細胞は二度と再生されることはありません。
日本の法律上も心臓が動いていたとしても
脳が死んでしまった時点で「死亡」と言う扱いになります。
脳は人間の身体の中でも特に耐久値が低く、
ほんの数分間酸素が届かないだけでも脳細胞は死滅してしまいます。
しかし酸素さえ脳にしっかりと届いていれば、脳は何とか生き耐えることが出来ます。
心臓という動力源が機能しなくなったとしても
何らかの方法で酸素を運ぶことが出来れば良いのです。
その方法が胸骨圧迫……
つまり皆さんの役割は酸素を脳に運ぶための人工心臓になることです。
心肺蘇生法
特に,心肺蘇生法は事故発生から救急車が到着するまでの間に行う一次救命処置として
その重要性が社会的にも認められ,平成16年から一般市民にも
AED(自動体外式除細動器)の使用が認められるなど,
これまで数多くの負傷者や急病患者の命を救っています。
仮に事故現場で心停止したとすると,
救急隊が到着するまでの約6分の間に何も手を施さなかった場合
その負傷者が元気になって元の生活に戻れる確率(救命率)は2.2%と
言われていますが,
この間に救命手当を施せばなんと20%後半まで向上するのです。
このことは,交通事故の現場で如何に救命手当が大切であるかおわかり頂けるでしょう。
事実,平成6年の法改正後交通事故による死者数は,どんどん減少しています。
勿論,交通事故の現場だけでなく一般家庭の中で起こる事故にも十分対応出来るものも含まれていますので知っていて損はない!といえる教習です。
直接圧迫止血法
血の出ている部分を押さえる。これでほとんどの出血は止まります。
出血している傷口の上に、清潔なガーゼやハンカチなどをあて、強く押さえる。
止血の手当を行うときは、感染防止のため血液に直接触れないように注意する。
ビニール・ゴム手袋の利用。なければ、ビニールの買い物袋などを利用する方法もある。
止血帯法
この方法は、手足の太い動脈を切るなどの大出血で、
傷口を直接圧迫しても止血できない緊急時にのみ最終的な手段として行います。
しかし、長時間経過すると下部に血が流れない為、できるだけ早く医師の診察を受けてください。
心肺蘇生の手順
1.両肩を軽くたたきながら声をかける
2.反応がない場合は大声で助けを求め、119番通報とAED搬送を依頼する
3.呼吸を確認する
4.ふだんどおりの呼吸がない場合は、すぐに胸骨圧迫を30回行う
5.訓練を積み、技術と意思がある場合は、胸骨圧迫のあと、人工呼吸を2回行う
- 人工呼吸の方法を訓練していない場合
- 人工呼吸用マウスピース等がない場合
- 血液や嘔吐物などにより感染危険がある場合は、人工呼吸を行わず、胸骨圧迫続けます。
6.AEDが到着したら
7.電極パッドを胸に貼る
8.電気ショックの必要性は、AEDが判断する
9.ショックボタンを押す