急ブレーキ

自動車運転免許を取ろう!技能教習第2段階11・急ブレーキ

技能教習第2段階11・急ブレーキ

 

 

急ブレーキとは

 

乗り物を急激に減速ないし停止させる必要に迫られた際にかけるブレーキのことです。

自動車(四輪自動車やオートバイ)は、タイヤで接地して陸上を走ります。

 

タイヤと路面との間には、それぞれの材質、摩耗の具合、温度、

乾湿等の条件によって決まる摩擦係数(μ値とも言う)があります。

この摩擦係数の範囲内でのみ、自動車は、加速・減速をすることができるのです。

 

 

 

具体的には、タイヤと路面が接触し滑走のない状態では静摩擦係数が、

タイヤが滑走している場合は動摩擦係数が適用されます。

 

一般の物体では静摩擦係数>動摩擦係数である。

 

これは物理的法則であり、急ブレーキの場合にも、

摩擦係数の限界を超えて減速することはできません。

摩擦係数の限界を超えて減速している場合は、

通常は物体同士の衝突による運動量の急激な変化が推定されます。

 

急ブレーキ時には静摩擦係数から動摩擦係数へと変化するため、止まりにくくなります。

なお、停止する直前・直後の瞬間においては、

動摩擦係数から静摩擦係数へと急激に変化するので、

急ブレーキで停止する瞬間には大きなショックがあります。

 

通常の自動車では、乾燥アスファルト路面・タイヤが摩耗していない・

低速・過積載でないなど条件が良い場合は、よほど強いブレーキを掛けない限り、

急ブレーキとなることは少ないのです。

 

しかし、高速、降雨、凍結、砂利道などのいずれかの悪条件が加わると、

容易にタイヤが滑走する急ブレーキとなる場面が発生します。

 

 

急ブレーキ時の特性

通常の走行時、制動時はタイヤと路面は噛み合っており静摩擦係数が適用されますが、

タイヤが滑走するほどの急ブレーキを掛けると、動摩擦係数が適用され、

一般の物体では静摩擦係数>動摩擦係数のため、逆に止まりにくくなります。

 

「強くかければかけるほど急激に減速できる」というものではなく、

「限界の範囲内では強くかければより急激に減速できるものですが、

その限界を超えて強くかけると逆に止まりにくくなり、制御を失う」

ことに注意する必要があります。

 

 

急ブレーキと制御不能など

 

 

タイヤが回転を止め路面を滑走する状況になると

(「タイヤがロックする」という)、ハンドル操作は効きにくくなります。

 

そのため、「交通の方法に関する教則」その他では、

急ブレーキや急ハンドル等により車体が横滑りを始めた場合には、

アクセルを緩めると共にハンドルを、横滑りの方向とは反対の方向にある程度回して

(カウンターステア)立て直す事が指導されています。

 

 

カウンターステアは四輪の自動車の場合であり、

オートバイの場合は後輪がロックした場合は四輪のカウンターステアと同様の操作が必要ですが、

前輪がロックした場合にはジャイロ効果が失われて即転倒する危険性があります。

 

そのため二輪車では可能な限り前輪ロックしないようにブレーキ圧を調整しなければなりません。

なお自転車の場合は、車体に比べて搭乗中の人体の方が遥かに重く、

重心が人体の所にあるため、前輪ロックするとジャックナイフ状に前に車体ごと一回転して

運転者が前方に放り出される事があります。

 

 

ブレーキを踏んでから車が停止するまでの距離

 

ブレーキを踏み車が停止するまでの距離には、以下の3つがあります。

 

1.空走距離:ドライバーが危険を感じブレーキを踏んでから、ブレーキが効き始めるまでの距離
2.制動距離:ブレーキが効き始めてから、車が停止するまでの距離
3.停止距離:空走距離+制動距離

ブレーキを踏んでもすぐに効き始めるわけではなく、

ブレーキが効いてもすぐに停止するわけではありません。

 

雨や雪で路面が濡れている場合や、タイヤが摩耗して溝が減っている場合には、

制動距離が変わりますので、停止距離が長くなります。

特に路面が凍結していると信じられないほど止まらなかったり、

ハンドルが制御不能になりますので注意が必要です。

 

 

 

乾いた路面では

 

 

乾いた路面での空走距離と制動距離、

そして停止距離は以下のようになります。

 

速度 空走距離 制動距離 停止距離
時速10km 2.78m 0.56m 3.34m
時速20km 5.56m 2.25m 7.81m
時速40km 11.11m 9m 20.11m
時速50km 13.89m 14.06m 27.95m
時速60km 16.67m 20.25m 36.92m
時速80km 22.22m 36m 58.22m
時速100km 27.78m 56.24m 84.02m
時速120km 33.33m 80.99m 114.32m

 

 

 

濡れた路面では

 

 

濡れた路面での空走距離と制動距離、

そして停止距離は以下のようになります。

 

速度 空走距離 制動距離 停止距離
時速10km 2.78m 0.79m 3.57m
時速20km 5.56m 3.15m 8.71m
時速40km 11.11m 12.6m 23.71m
時速50km 13.89m 19.69m 33.58m
時速60km 16.67m 28.35m 45.02m
時速80km 22.22m 50.39m 72.61m
時速100km 27.78m 78.74m 106.52m
時速120km 33.33m 113.39m 146.72m

 

 

 

積雪のある路面では

 

積雪のある路面での空走距離と制動距離、

そして停止距離は以下のようになります。

 

速度 空走距離 制動距離 停止距離
時速10km 2.78m 2.62m 5.4m
時速20km 5.56m 10.5m 16.06m
時速40km 11.11m 41.99m 53.1m
時速50km 13.89m 65.62m 79.51m
時速60km 16.67m 94.49m 111.16m
時速80km 22.22m 167.98m 190.2m
時速100km 27.78m 262.47m 290.25m
時速120km 33.33m 377.95m 411.28m

 

 

 

 

訓練と対策

 

訓練

通常、公道での運転で、タイヤと路面が滑走するほどの急ブレーキを体験することは、

運転者によっては少ない場合があります。

 

そのため、どの程度までブレーキをかけても大丈夫なのか、

タイヤが滑走をはじめたらどのような挙動になるのか、

そういった非常事態から回復するにはどうしたらいいかなどについて、

非常時にも冷静に確実な操作が行えるようにするために、

自動車やオートバイの製造会社やそのサービス会社では、

限界を体験するような運転体験スクールや訓練プログラムを提供しています。

 

 

たとえば、「タイヤが滑走をはじめてしまった場合には、いったんブレーキを緩めて滑走を止め、

車やオートバイの制御を取り戻す」などの実技を体験することができます。

 

これらのドライバーやライダーの訓練は、上手に急ブレーキをかける技術を身につけ、

危険を回避するためのテクニックを習得するためには有効です。

 

 

対策

また、車輌側の対策も行われています。

実用化されているもののひとつに「アンチロック・ブレーキ・システム」 (ABS) があります。

これは、自動車やオートバイのブレーキに滑走検出機能をつけ、

タイヤが滑って制御を失ったら自動的にブレーキのききをゆるめ、制御を取り戻すというものです。

 

ABSを搭載した車輌の場合、操縦者はただ全力でブレーキをかければ、

車輌側が自動的に限界ぎりぎりのブレーキをかけてくれるというものです。

四輪自動車ではABSは標準的な装備になり、

オートバイでも一部の大型、高級車種では装備が進んでいます。

 

 

ABSとは

 

ABS=Anti-lock Brake System(アンチロック・ブレーキシステム)

 

ABSは緊急ブレーキ時にタイヤがロックした場合、

ブレーキを踏んだままでも自動的にブレーキの解除・作動を繰り返し、

タイヤのグリップ力を回復させるとともに、クルマの走行安定性を保ち、

ハンドリングによる危険回避能力を確保しようとする装置です。

 

 

1.(方向安定性)タイヤの横滑りを防いでくれるため、スピンを抑えることができます。

 

2.(回避能力)タイヤのグリップ力を保ってくれるため、

障害物をハンドル操作で回避することができます。

 

3.(制動力)タイヤの接地力を保ち、クルマの姿勢を安定させるとともに制動力を回復させます。

 

滑りやすい路面で力いっぱいブレーキを踏んでもスピンを抑え、

ハンドルも効くようにしています。

 

凍結した路面のような滑りやすい路面では、その効果を十分に発揮してくれる頼もしい装置です。

でもABSは、決して制動距離を短くするための装置ではありません。

特に砂利道や未舗装路、新雪路などでは、ABS未装着車に比べ、

制動距離が思いのほか長くなることがあります。

過信せず、スピードを出し過ぎないよう、安全運転を心掛けてください。

 

参考動画

 

 

 

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自動車販売連合会の仕事と、自動車教習所のコンピュータシステムに長いこと携わってきました。わりと複雑な自動車免許の取り方を、わかりやすくご説明できればと、このサイトを立ち上げました。多くの方がスムーズに免許を取ることができるように望んでいます。by Kinsan

 

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